0から1を生み出すにはその種が必要です。
色々な分野の見識を深めることにより貴金属と宝石の組み合わせに深い意味や価値を生み出せるのだと思っています。
講談や落語で有名な演目「中村仲蔵」をご存知でしょうか。
実在した歌舞伎役者で、浪人の子として生まれながら才能と努力で稲荷町から名題になった人のお話しです。
私がこの演目を初めて聴いたのは、神田松之丞時代の神田伯山先生が、渋谷の小さな劇場で演じられていたときのことでした。
その語りの迫力と臨場感に、衝撃を受けたのを覚えています。
この演目の中で何度も「血のねぇ役者」と言う言葉が出てきます。
なんのバックボーンも持たずに挑戦している私にとって、その言葉はまるで自分のことのように感じられました。
私もいつか、そんなふうに道を切り拓いていきたい。そう思ったのです。
そして昨日、映画『国宝』を観ました。
公開当初からとても気になっていた作品で、ようやく足を運ぶことができました。
まだ公開中の作品ですので、内容には触れませんが、感想を綴ります。
この映画もまた、「血」という言葉が何度も登場します。
観終わった後にふと感じたのは、「これは私にとって、“ちょうどいいタイミング”での体験だったのかもしれない」ということです。
今の環境を俯瞰して見つめ直す、そんな3時間になったような気がしています。
ここ最近の自分自身を振り返ると「緩くなったな」と。
挑戦を続けている気持ちになってはいますが、その挑戦は叶いそうな挑戦ばかりかもしれない。と思ったからです。
心のどこかで気づいていながら、それに蓋をしてきた自分もいたように思います。
成長していくということは周りを巻き込むということです。
そうなると一か八かの100点より、無難な70点を目指すようになるのかもしれません。
それが「大人の選択」や「経営的判断」と言われることもあるでしょう。
しかし、私は100点を難なく出せるようになって、つぎは150点、200点を出せるようになりたい。
無意識のうちに小さくまとまりかけている私に映画『国宝』が「それでいいの?」と問いかけてくれたような気がしました。
もうすぐ、法人2期目が終わります。
事業は順調に進んでいます。
でも、どこか「小さくまとまってしまった感」が拭えないでいます。
3期目は、もっと大きく。
もっと自由に、もっと誇り高く、羽ばたいていける私でありたいと思います。
「あなたの物語にジュエリーを」
よろしくお願いします。