12月11日～16日まで銀座三越にて開催されていました
「History of Pearls～「真珠」価値の変遷」へ。

2016年から始まった企画展で全国各地の三越で開催されています。
今回は日本最古と言われるトリハマパールの展示もありました。

福井県、鳥浜貝塚から出土した約5,500年前（縄文時代）の真珠。
普段は福井県若狭歴史博物館所蔵です。
変形した球形に見えますが、正確に言うとブリスターパールなのだそうです。

ブリスターパールとは？
真珠が貝の体内で移動し、貝殻と癒着した「貝殻付の真珠」です。
天然と養殖があり、半形のマベパールがイメージしていただきやすいでしょうか。

今回のトリハマパールは淡水2枚貝の中で天然で生まれた真珠が貝の体内を移動し、貝殻に癒着した「天然ブリスターパール（真珠）」です。
厳密にいうと天然真珠とは区別された「天然ブリスター真珠」です。

重さ　2.9ｇ（匁じゃないんだ！）
真珠の重さは匁で表記されることが多く、1匁（約3.75g）はだいたい13㎜の養殖真珠1粒と同じくらいの重さです。
トリハマパールは天然ですのでおそらく中は真珠層のみ。（ブリスター真珠なので空洞かも）
そうすると養殖真珠（中が貝核）と比べるとやはり軽めなのでしょうね。

このトリハマパールの写真、伺う前にSNSで拝見していて出てきたいくつかの疑問。

・母貝の淡水二枚貝は食用だったのか。
若狭湾は海の幸がとても豊富です。ドブガイ（美味ではない）やイケチョウカイ（ドブガイに比べれば美味）をあえて食べる必要があったのかしら？と

・貝塚から出土
貝塚は不用品（ゴミ）を捨てる場所の認識があります。
宝物だったとしたらもう少し大切に保管されてもいいのではないかしら？

・なぜ１つ？
天然真珠が生まれるのは非常に稀な現象ではありますが1粒というのはなんとも不思議。

トリハマパールと共に全国行脚をしている藤井さんと、想像を交えたトリハマパールの謎について色々話してきました。

トリハマパールは近くの三方五湖産（推測）であろうという事。
丸木船の先端についていたそうで、おそらく魔除けやお守りのような役目だったのではないか。と説明いただきました。

貝塚にある沢山の貝のカルシウムによって、鳥浜貝塚から出土する遺跡は保存状態の良好なものが多いそうです。

もしかしたら、トリハマパール以外に美しい球形の天然真珠などもあったかもしれません。
しかし、そのパールたちは貝塚ではなく、大切に他の場所に保存されていたから今はもう現存しない。とか。

ブリスター真珠であったことから、ある意味身を飾るものとしては「規格外」だったからこそ現代でも残っていたりして。なんて想像してしまいました。
丸木船の先端に着けられていたのは規格外の真珠の規格外の使い方だったのかも、しれません。

その他にも色々な展示がありました。

昭和40年代の大手真珠養殖会社の真珠たち。
貝から取り出して洗浄はしてありますが無処理とのこと。
50年近くの前の無処理の真珠がこの状態で残っていることに驚きです。
昔の貝が強かった時代の真珠ですよね。とホレボレ。

真珠関連の書物（特許関連だそうです）

北海道で出土した茶津真珠を展示する時もあるそうです。
この茶津真珠、約4㎜だそうです。
4㎜の真珠のこの穴をあける技術がすでに縄文時代にあったとは。

この穴位置の正確さ！
これ、なにげに凄いことなんですよ。
ビーズ状にする為に一方から穴を開けて貫通させるのではなく、両方から開け進んだ穴の形状だとか。
今と遜色ない技術に驚きます。

「大きな日本最古の天然真珠！」と言うだけでも貴重な展示です。
しかし、詳しくお話を聞いてみるとまた違う角度からも興味も出てくるかもしれませんね。

次回は未定ですが、おそらくこれからもこの「History of Pearls～「真珠」価値の変遷」の企画は継続していくと思います。
色々な地域で開催されますのでお近くで開催の時はぜひ、足を運ばれてはいかがでしょうか。

藤井さんが熱くロマンを語ってくれると思います。

公式Facebookページ
⇒History of Pearls（ヒストリーオブパールズ）

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