お納めしたのは随分前なのですが、ジュエリーリフォームのご紹介です。
譲り受けた一文字の指輪を「リングテイストペンダント」にリフォームいたしました。
このデザイン、「あれ?見たことあるかも…」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、こちらはオリジナルデザイン「スプリングキャンディ」のアレンジ版です。
「スプリングキャンディ」は、大粒の美しいアクアマリンを主役に、ソリテール(一粒指輪)のように仕立てたデザイン。
指輪を2Dで側面から見たような、少し個性的なシルエットが特徴です。
このデザインをご覧いただき、「手持ちのダイアモンドでリフォームできませんか?」とご相談いただきました。
スプリングキャンディをもとに、一からの制作にはなりますが、もちろん大丈夫です。
(何しろ、私のデザインですから(笑))
見た目は「中央の宝石だけを変更しただけ」のようにも見えますが、実はそう単純ではないのがジュエリー制作の奥深いところ。
ブログやライブでもお話ししていますが、ジュエリーは同じような見た目でも、その制作工程によって価格が大きく変わります。
一般的に、店頭に並ぶジュエリーのほとんどは「量産を前提に」企画されています。
分かりづらいかもしれませんが、ジュエリーで価格(工賃)差が出るポイントは「石座」です。
店頭の既製品は、オーソドックスなサイズの宝石に合わせた石座や、大量在庫の宝石に合わせて作られています。
一方、ジュエリーリフォームはお預かりした宝石に合わせて石座を制作します。
この「合わせる工賃」が、リフォームジュエリーの価格差につながります。
ポンデュプレジールでは、リフォームの多くは一点一点石座を合わせる「手作り」です。
しかし、サイズが合えば「既成枠」も取り入れ、少しでもお値打ちにご案内できるようにしています。
「手作りが最高」とは限らず、その時々で最適な制作方法を選択しています。
しかし実際にはぴったり合う既成枠が少なく、ほとんどが手作りとなっています。
人気のイヤーカフや、先日のブログでご案内した「アンサンブル」も、基本のデザイン部分は「型」を使いますが、石座は一点ものの手作りです。
既製品になんとなくいいイメージをお持ちでない方もいるかもしれません。
既成品は「安定して同じものがブレずに制作できる」という素晴らしい利点があります。
手作りによる“ブレ”を防ぐため基本は「型」で制作し、微調整が必要な石座を「手作り」で仕上げています。
これにより「安定した品質と価格」と「その宝石のために作られた石座」のいいとこ取りが実現します。
今回のリフォームも、すべてを一から手作りにするとかなり高価になりますが、適切に型と手作りを組み合わせることで、適正価格でご案内できました。
このような「作り」の話は、実は店頭ではなかなか聞けないもの。
販売だけでなく、企画(デザイン)から作りまで携わるポンデュプレジールだからこそお伝えできることかもしれません。
理由や理屈がわかると、ジュエリーを見る目もきっと変わってくるはずです。
少しずつお詳しくなっていただき、「ジュエリー上級者」の方が増えてくださると、とても嬉しく思います。
とてもきれいなダイアモンドでしたので、受け継がれたご依頼主さまが、生まれ変わったジュエリーをまたご愛用いただければ幸いです。
ご利用ありがとうございました。
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皆さまとお逢いできますのを、心より楽しみにしております。
「あなたの物語にジュエリーを」
よろしくお願いします。