3月11日から13年です。
幸か不幸か私は記憶力がいいです。
良い事も悪い事もまるで録画したかのように覚えていることが多いです。
そんな中でも特に2011年3月11日の事は覚えています。

三重県にもいつ大きな地震がきてもおかしくない。とは思いつつも
この震災に限らず、どんな事を書いても偽善になりそうな気がして何も書けません。

今日は2011年9月12日に投稿したブログを再投稿します。
今回で12回目です。

仙台で震災を体験された佐藤氏のセミナーに関するブログです。
体験した方だけが持つ言葉の重み。
あの素晴らしいお話を沢山の方に知って頂きたくて今年も投稿します。

こんにちは。ジュエリーコーディネーターの橋本佳代です。

先日の9月1日-3日まで開催されたJJF(ジャパンジュエリーフェア)
この展示会は仕入れ会ですが、ジュエリー業界に関するセミナーも無料で受講できます。
今回、偶然ではありますが受講したセミナーがとても心に響きました。ジュエリーコーディネーター部会長(当時)

佐藤郁雄氏
「東日本大震災におけるジュエリーの果たした役割~被災地の実例から学ぶ~」

佐藤氏のサロンは仙台市内にあり、この震災で甚大な被害を被りました。
幸い社員の方やそのご家族はご無事で、驚くべき速さでブライダルコーナーの営業を再開されました。

実体験として
・顧客データに残されていた指輪の刻印が身元判明の決め手となった
・ブライダルコーナーの再開をHPで知ったカップルが4時間以上も歩いて来店された
・高価なペンダントを「自分が自分でいられるお守り」として購入されたお客様
途中、声が震えたり、言葉につまる場面もありました。

被災からまだ時間が経過していないうちに体験をお話されるのは非常に辛いことだと思います。

しかし、その経験を経て伝えたいことを佐藤氏はお話してくださいました。
「ジュエリーは決して贅沢品や嗜好品ではなく、生活文化に根ざしたものである」
「ジュエリーは人と人とを結びつける大切な”絆”である」

「ジュエリーコーディネーターはそのお手伝いをすることが使命であり、自信と誇りを持ってほしい。」

私がテーマとしている
「ジュエリーとお客様、贈る方と贈られる方の歓びの架け橋になりたい。」という思いは理想論でもあり、青臭いと思われる時もたくさんあります。

しかし、非常時を体験された佐藤氏からこのような言葉を伺い、大変勇気づけられました。

震災後、ブライダルが好調でなんだか「絆ビジネス」が広がりつつあるのが、へそ曲がりな私は最近ちょっと嫌です。
お客様はとても吟味され、本当に「絆」というものを大切にしようとしている所とビジネスとして考えている所の区別はつくであろうと思います。

流行ったらそこに飛びつくという傾向があまり好きになれません。
デザインや素材ではなく「人の感情」を商材にしようというのがちょっと、あんまり。気に入らない(笑

今更「絆」を強調せずとも、以前から大切にしていた所はこれからも大切にしていくだろうし
商材としてしかとらえていない所はすぐまた違う「お金になりそうなもの」へ変わっていくでしょう。

毎年、春と秋には新しいたくさんのジュエリーコーディネーターが誕生します。
皆さんがジュエリーコーディネーターという
「つなぐ」仕事に誇りを持っていただきたいな、と願います。

佐藤氏の今回のセミナーはJC機関誌53号にも掲載されていますので、お持ちの方はぜひ読んでいただきたいと思います。
素晴らしいセミナーを受講でき、とても幸運でした。

沢山の命が失われた日ではありますが、新しく命が生まれた日でもあります。
今日は哀しいだけの日ではありません。希望に満ちた日でもあります。

2024年、1月1日に能登半島で震災がありました。
あれから13年。
当時何もできなかった私でしたが、賛同してくださる皆さまと一緒に支援をすることができました。
ご賛同いただきました皆さまと一緒に。という点がとても嬉しく思いました。
金額だけではなく、その輪が広がって支援できたということが何よりも素敵なことだと思いました。
本当に皆さま、ありがとうございました。

美しいものは心を豊かにする「使用価値」があります。
豊かな心は明日への希望を育てます。
「美しいもの」をご提供することによって
少しでも皆様が心豊かになるお手伝いができればと考えています。

ジュエリーができること、ジュエリーにしかできないこと。
それをいつも胸に
お客さまとジュエリーを繋ぐ「架け橋」でありたいと思います。

※ポンデュプレジールは「歓びの架け橋」という意味です。