先日ご納品しました「プチリフォーム」をご紹介します。
今回は、お母さまから譲り受けた指輪をペンダントトップへプチリフォームさせていただきました。

「プチリフォーム」は正式な名称ではないかもしれません。

一般的なジュエリーリフォームが一から新しく作り替えることを指すのに対し、ポンデュプレジールでは石座などをできるだけ活かしながら形を変えるリフォームを「プチリフォーム」と呼んでいます。

今回のお問い合わせは、「譲り受けた指輪のサイズ直しをしたい」というものでした。

拝見した指輪は、クラシカルで上品なデザイン。
普段使いというよりは、お出掛けの際に活躍しそうな雰囲気です。

ところがお打ち合わせでお会いしたお客さまは、とても自然体のカジュアルスタイル。
お話を伺っているうちに、少しずつ違和感の正体が見えてきました。

本当に欲しかったのは「サイズの合った指輪」ではなかったのです。

お客さまが叶えたかったのは、「お母さまから譲り受けたジュエリーを毎日身につけること」

普段のお洋服はカジュアルが中心。
お仕事柄、指輪の着用が難しい場面もある。
毎日身につけたいけれど、指輪のままでは出番が限られてしまう。

そう考えた時、私がご提案したのはサイズ直しではなく、「ペンダントトップへのプチリフォーム」でした。
もちろん、一から新しいデザインへリフォームすることも可能です。
ですが今回は、お母さまの指輪の面影を残しながら、毎日の暮らしの中で自然に身につけられる形にすることに大きな意味があると感じました。

ペンダントへのご提案をお伝えすると「そんな方法があるなんて思っていませんでした」と驚かれていました。

実は、こうしたことは少なくありません。
最近は事前にたくさん調べられて「こうしたいのですができますか?」とお問い合わせをいただくことが増えています。
もちろん、そのご希望にお応えすることも大切です。

ですが私たちが本当に考えなければならないのは【なぜそれをしたいのか】という部分です。

今回も、もしご依頼通りにサイズ直しだけをしていたら、それは間違いではありません。
けれど、本当の意味での正解でもなかったと思います。

サイズを直した指輪はきっと喜んでいただけたでしょう。
しかし普段の装いとのギャップが大きければ、少しずつ着ける機会は減ってしまうかもしれません。
お仕事の都合で着けられない日もあるでしょう。

そう考えると、お客さまが本当に望んでいた
「毎日身につける」
という願いは、100%叶わなかったかもしれません。

ご依頼内容そのものではなく、その奥にある願いを見つけること。
そして、その願いを叶えるための方法をご提案すること。
それが経験を積み重ねたプロの役割だと思っています。

便利な時代になり、たくさんの情報が手に入るようになりました。
それでも、「本当に叶えたいことは何か」
これを一緒に考えることは、人だからこそできる仕事ではないでしょうか。

これからも毎日の暮らしの中で、お母さまとの思い出を身近に感じながらご愛用いただけましたら幸いです。
この度はご利用いただき、誠にありがとうございました。


 

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